量子コンピュータってニュースで聞くけど、そもそも何?結局何がすごいのかわからない…
といったお悩みを解決します!量子コンピュータと言われてもAIと比べて何がすごいのかイマイチよくわかりませんよね。
この記事では量子コンピュータとはそもそもどんなもので、どんなメリット・デメリットがあるのかを難しい数式を使わずざっくりと紹介していきます!
量子コンピュータとは高速で複雑な計算が可能な機械
量子コンピュータとは私たちが現在使っているコンピュータとは全く異なる原理で動作するコンピュータです。
量子コンピュータがなぜこれほど注目されているかというと、従来コンピュータとは比較にならないほど高速な計算が可能と言われているからです。
スーパーコンピュータとの違い
高速計算が可能なコンピュータと聞くとスーパーコンピュータを思いつく人も多いと思いますが、スーパーコンピュータも私達が使っているパソコンと同様に従来コンピュータに分類されます。
スーパーコンピュータはコンピュータを何台も接続してマシンパワーを高めることで高速計算を可能としています。その点で計算能力は従来コンピュータの延長線上にあると言えます。
一方で量子コンピュータは量子というものを使って、従来コンピュータとは全く異なる原理で動作させるため、計算能力は従来コンピュータとは別次元と言えます。
なぜ高速計算が可能なのか
量子コンピュータがなぜ高速計算が可能かというと、量子コンピュータが計算に利用する量子が私達の常識から外れた振る舞いをするからです。
量子とは原子レベルの私達の目に見えない非常に小さなものを指します。
実は量子は私達が目に見えている世界とは異なる物理法則に従っています。つまり私達の常識では考えられない振る舞いをしているのです。
この常識外れな性質を計算に利用することで、常識外れな高速計算を可能にしようというのが量子コンピュータになります。
量子コンピュータの実現で何が変わるのか?
では量子コンピュータが登場することで一体どんな影響があるのでしょうか?
いくつか考えられている影響からメリット・デメリットを一つづつ紹介します。
メリット:今まで解けなかった問題が解けるようになる
量子コンピュータに最も期待されていることには、今まで解けなかった問題を解決することです。
私達の身の回りではコンピュータの計算によって解決しようとしている問題がたくさんあります。例えばこんな問題です。
しかしこれらの問題は従来コンピュータの計算速度では何万年もかかってしまう場合が少なくないと言われています。量子コンピュータは今まで計算を諦めてしまっていた問題に対して正しい答えを導けるのではないかということで期待がされています。
例えば創薬の分野で、薬として有効な作用が期待されるタンパク質の構造をシミュレーションしたいとしましょう。
世の中にいくつもある元素を様々な構造で組み合わせてシミュレーションをするというのは途方もない組み合わせが存在するため現在のコンピュータではとても難しい問題です。
量子コンピュータによって無数にある組み合わせを検証して有効だと思われるタンパク質の構造を計算して答えを求めることで新薬をより速く作れるのではないかということが期待されています。
デメリット:現在の暗号技術が破られる可能性がある
一方で量子コンピュータの高速計算が脅威となる場合もあります。最も有名なのが現在の暗号技術が破られる可能性があるという指摘です。
現在の暗号技術は大きな値の素数の掛け算で情報を暗号化しています。
つまり暗号の解読には素因数分解の計算が必要となるわけですが、実はこの計算は効率的に計算する方法が見つかっておらず、従来のコンピュータでは非常に時間がかかる計算とされています。
そのため現在の暗号技術は実質的に破ることはできないものとされていました。
しかし量子コンピュータによって、時間がかかっていた素因数分解の計算も短時間で処理可能となり暗号を破ることができると言われているのです。
現在の量子コンピュータの性能では暗号を解読するレベルの計算能力は全くありませんが、将来来るかもしれない未来ということで金融機関など様々な場所で研究が進められています。
まとめ
この記事では量子コンピュータとは何か、どんなメリット・デメリットがあるのか紹介しました。
この記事ではなぜ量子の性質を利用することで高速な計算が可能になるのかについては触れませんでしたが、その理由を知りたいという方はこちらの記事をご覧ください。
また、少しでもこの最先端技術に興味を持っていただけてもう少し踏み込んで知りたいという方は、こちらにおすすめの参考書を紹介しているのでぜひご覧ください!
数学が全く苦手な方向けにもおすすめの参考書はあるので、これから来る大きな変化に乗り遅れないように今のうちに最低限の理解は身につけておきましょう!
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