IBM Quantum Developer資格を取得する方への受験体験記

2021年から始まった量子コンピューティング初の資格試験であるIBMのFundamentals of Quantum Computation Using Qiskit v0.2X Developerについて、これから受験を考えている方へ簡単なフィードバックをしようと思います。

https://www.ibm.com/certify/exam?id=C1000-112
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試験形式と問題の難易度

試験概要にもある通り、試験は90分で60問の選択問題を解く形式です。合格ラインは44問(約7割)なので多少知識の抜け漏れがあったとしても合格自体は十分可能です。

問題の難易度としては試験概要に記載されているサンプル問題と同様ぐらいです。ただし、出題範囲はまあまあ多岐にわたり、出題範囲と記載されている項目についてはまんべんなく出題されている印象だったので一定の準備は必要かと思います。

合格に向けて準備しておくといいこと

合格を目指すにあたっての前提ですが、この試験は量子コンピューティングSDK(Qiskit)のための試験であって、量子コンピューティング全般を網羅するものではありません。

そのため量子コンピューティング初心者の方とそうでない方では勉強すべき内容が少し変わってくると思い、別々に書いていきます。

量子コンピューティング初心者の方

量子コンピューティング完全に初心者でとりあえず受験しようと考えている方は少し思いとどまった方がいいと思います。

試験勉強をしても、量子コンピューターとは?という基本的な考え方を身に付けないとただの知識の暗記になってしまうからです。

初心者の方はまず簡単な書籍で量子の概要を掴んでから、実際にQiskitなどのSDKを使って量子計算を体験するという流れが良いと思います。最初の一冊の選び方はこちらでも紹介しているのでご覧ください。

量子コンピューティングの基礎は押さえている方

こちらの方々は基本的に基礎事項の学習はされていて、実力試しに受験を考えているという方が多いかと思います。そのため試験向けに少し確認、勉強していただければ合格は十分可能です。

私から受験にあたって確認をお勧めする項目は以下の通りです。

サンプル問題を確認しておきましょう

最も大切なこととして、公式のサンプル問題を確認しておきましょう。

公式で提供されているだけあってサンプルと言えど試験問題の難易度を掴むためには最も信頼できる教材です。私の記事でもサンプル問題について解説していますので解いた上でわからない部分があったら参考にしてください。

量子ゲートの行列計算を確認しましょう

試験問題の中で量子ゲートの行列計算を問われる問題が複数出題されていました。

私は量子ゲートの行列表現は覚えていなかったので試験中に行列を作りながら計算していましたが、これだけ試験で聞かれるということはすぐに行列が出てこないといけないのだなと感じました。

これから受験する皆さんは量子ゲートの行列表現を使いこなせるようにしてから臨むことをお勧めします。

Qiskit Textbookの1~2章を確認しましょう

Qiskitを学習されている方であれば皆さんご存じだと思いますが、Qiskitの公式テキストブックの1~2章を確認しておきましょう。

量子回路を組んで測定をして結果を確認するという最も基本的な流れを、自分の手でプログラムを動かしながら確認することで定着させておきましょう。

このテキストブックは私も参加しているIBMの社内コミュニティで日本語化もされ、正式にリリースされていますので英語に自信のない方でも勉強できるようになっています。(試験は英語です)

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